今月の1点 Monthly Pickup 5月
 
 

APΠA NEPO (アルパ ネロ [水のハープ] )
原田 和男 (はらだ かずお) ( 1951‐   )作

1989年、鉄・ステンレス・水 ほか


 

 現在開催中の「ΣΙΔΕΡΟ ΗΧΟΣ シデロ イホス 鉄の響 原田和男」展に展示している作品で、ギリシャ語でAPΠA(アルパ)は「ハープ」NEPO(ネロ)は「水」を意味する。原田はアフリカのスリットドラムにヒントを得て、残響音や共鳴音などの「響き合う構造」をもつΣΙΔΕΡΟ ΗΧΟΣ(シデロ イホス)シリーズに着手するが、この鉄の弦楽器ともいうべきAPΠA NEPO(アルパ ネロ)において新境地に到達する。響体となる球にスポーク状の棒をハープの弦状に取りつけ、それを弓で弾くや、そこにはチェロともハープとも異なる微妙な音が現出する。そして響体の中に水を入れ、弓の角度や弾く速さを変えたり、揺らしたりすると音程が変化し、聴く者を不思議な優しい「響き」の世界に誘い込むのである。
(美術館 K.A )


< 原田 和男 (はらだ かずお)略歴 >
 東京生まれ。1977年、東京芸術大学美術学部工芸科卒業。専攻は鍛金で、神奈川県美術展や現代日本美術展などに出品。87年、ΣΙΔΕΡΟ ΗΧΟΣ(シデロ イホス)シリーズを開始。安曇野ちひろ美術館(長野)、豊科近代美術館(長野)、川越市立美術館(埼玉)、兵庫県立美術館、横浜美術館などで展覧会を開催。作曲家の武満徹や石井眞木らに認められ、ΣΙΔΕΡΟ ΗΧΟΣが演奏される。