今月の1点 Monthly Pickup 10月
 
 

「造船所秋日」
馬渕 聖(まぶち とおる) (1920-1994)作

1956年,木版・紙, 85.0センチ×54.0センチ



 夏の暑さを残しながらも澄んだ空と和らかな日差しに秋の訪れを感じさせる、造船所の秋の日を描いた「造船所秋日」。木版ならではの木肌の優しさに、細かい木片を配して作るモザイクの版を部分的に重ねて刷る、馬渕独特の味わい深い作品です。
 江戸時代には重要な運搬手段として活躍した船も、運搬や移動手段の多様化でその役割は薄れ、作品に描かれているような木製の船も姿を消しつつあります。そのためでしょうか、この作品にはどこか懐かしさを感じます。