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今月の1点 Monthly Pickup 4月

《羽根付き自転車》 谷 信雪(たに・のぶゆき 1962~)

(読み方:はねつきじてんしゃ)
2017(平成29)年 自転車、羽根    縦238.0×横258.0×高200.0(cm)

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国内外から高い注目を集める茅ヶ崎在住のサイクルアーティスト・谷信雪。アパレルメーカー「45rpm」や「Kapital」との提携によるオリジナル自転車の制作。また、自転車のサドルを用いたツールや曲線の美しい車椅子の制作など、その仕事は多岐に渡り、豊かな想像力と確かな技術力によって制作された自転車は、多くのファンを魅了している。 

2017年、当館のエントランスで開催する展覧会のため、新たに制作された自転車が本作である。

大きくひらかれ光が透過する羽根と、懐かしさを感じさせる子どもサイズの自転車。もともとは魚屋が使っていた自転車をリメイクしたという。所々、剥げかかっている水色の塗装は、昔に谷本人が塗ったもので、自分が乗った後、娘に引き継がれ、数十年後には現在の姿のようになっているだろうと思い描いて塗ったという。

普段、負の要素とされることの多い塗装の剥がれや錆びだが、本作では、経過した時が刻みこまれ、独特の懐かしさや愛おしさを感じさせる風合いとなっている。

「子どもが乗るような、大人が乗る自転車」が作りたかったという谷が、天使が舞い降りてくるようなイメージで作ったという大きな羽根。当館のエントランスの巨大なガラス窓の光を受け、その日の天候によって異なる姿を見せるのが特徴的である。

 

 

※現在開催中の「自転車の世紀 ―誕生から200年、新たな自転車の100年が始まる―」展(会期:2017年4月9日~6月4日)で展示しております。

 

(美術館 H.F) 

<略歴 >

ブリジストン社のテクニカルアドバイザーとして高い技術を持つ父が、自転車制作・修理・販売業を営み、物心ついた時から父の仕事を手伝い自転車制作と修理の技術を学ぶ。サレジオ工業高等専門学校でプロダクトデザインを学び、大手家電メーカーであるシャープ株式会社の総合デザイン本部に就職。カセットデッキ、多機能電話機、TV・オーディオなどの先進的なプロダクトデザイナーとして活躍。1989年、シャープ株式会社を退職し父の自転車制作・修理・販売業であるCycle Boyを受け継ぎ、1990年に代表になる。父の死を機に、日本で唯一の“街乗り自転車専門のオーダーメイドショップ”として再出発。現在、フルカスタムのオーダーメード自転車のデザイン、製造、供給を行い、アクセサリー等もデザインしている。

 

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