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《大きな猫の棲む家》 岡 耕介(おか・こうすけ 1948~)

(読み方:おおきなねこのすむいえ)
1980年代 油彩・キャンバス 112.1×162.1 (cm) 《個人蔵》

 itten_201712.jpg

 

  画家は大きな猫と家族とともに、ちいさな家に暮らしていました。
  むかって右手の大きな窓のある部屋が、画家のアトリエでした。
  アトリエには、この家を描いた、この絵が置かれています。
  画家は東京から持ってきた鉢植えの椰子を庭に植えました。
  それはまるで都会での窮屈な暮らしから解放された画家が
  椰子たちにも同じような自由をわけてあげたのかもしれません。

1981(昭和56)年、岡 耕介さん一家は東京都内から茅ヶ崎に移住しました。
ふたりめの子供の出産を前に、子育てにふさわしい住環境をもとめたことと、東京では飼いたくても飼うことができなかった猫と暮らすためでした。
茅ヶ崎が一家の移住先となったのは、岡さんの妹が嫁いでいた茅ヶ崎を何度か訪問していて、この街に好感を抱いていたためだといいます。
岡さんは茅ヶ崎転居後に市の施設で開催されていたデッサン講座に通うようになります。そこで講師をしていたのが、茅ヶ崎出身で当地の絵描きたちのリーダーのひとりであった鶴田 猛(つるた・たけし 1923~2008)さんでした。
1989(平成元)年には鶴田先生の勧めで茅ヶ崎美術家協会展に出品をはじめ、1991(平成3)年に茅ヶ崎美術家協会会員に推挙されました。以降、年一回開催される美術家協会展が、岡さんの定期的な作品発表の場となっています。

この作品に描かれているのが、茅ヶ崎での岡さん一家の住まいです。かつて本村にあったこの家で家族と猫との暮らしがはじまり、やがて家族が増え、地元神社のお神輿にかかわるなど、岡さんは地域との繋がりを深めてきました。
人生の半分以上の時間を茅ヶ崎で過ごしてきた岡さんは、これからもこの街で制作をつづけていくことでしょう。

この作品は2018(平成30)年2月4日まで開催中の企画展「岡 耕介展 TUMBLING DICE」に展示しています。

 

(美術館 N.Y) 

<略歴 >

神奈川県横浜市に生まれる。1968(昭和43)年、多摩美術大学に入学(美術学部油画専攻)。1972(昭和47)年、大学中退。看板店、生花店、デザイン会社に勤めるかたわら絵画制作を継続。1973(昭和48)年、個展開催。以降、80(昭和55)年、89(平成元)年、2005(同7)年、07(同19)年、10(同22)年、15(同27)年に個展を、1986(昭和61)年、2002(平成14)年、12(同24)年にグループ展を開催。1978(昭和53)年、渡欧。約一年スペインに滞在。1981(昭和56)年、茅ヶ崎市に移住。この頃、鶴田猛が指導するデッサン講座に参加する。鶴田の勧めにより1989(平成元)年より茅ヶ崎美術家協会展に出品。1991(平成3)年、茅ヶ崎美術家協会会員に推挙される。2001(平成13)年、茅ヶ崎市民ギャラリーにて「岡耕介油画展」を開催。2011(平成23)年、絵具のチューブを利用した立体作品「群盲」を神奈川県美術展に出品し奨励賞を受賞。2017(平成29)年、茅ヶ崎市美術館にて企画展「岡耕介展 TUMBLING DICE」が開催される。

 

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