• ホーム
  • 今月の1点
  • 《 SEMI-SENSELESS DRAWING MODULES #1(SDM1) -Replicate 》 やんツー/菅野創(yang02 1984~/かんの・そう 1984~)

今月の1点 Monthly Pickup 8月

《 SEMI-SENSELESS DRAWING MODULES #1(SDM1) -Replicate 》 やんツー/菅野創(yang02 1984~/かんの・そう 1984~)

読み方:セミセンスレス・ドローイング・モジュールズ #1(SDM1)—レプリケート(模写)

2015(平成27)年 パネル、ビルボード紙、マシン、ハイテックCボールペン0.4mm(LH-20C4-CL、LH-20C4-Y、LH-20C4-P)縦240×横720(cm)《作家蔵》

 

2015_08gatsu_400.jpg

 7月下旬、昨年開催された「札幌国際芸術祭2014」で注目を浴びたやんツー氏・菅野氏の共同制作のマシンが描き上げた抽象絵画を、地域の小学生、高校生が模写をするワークショップを当館で実施しました。この作品は、その様子を記録して描画の過程をデータ化し、そのデータをもとにマシンを稼働させることで、子どもたちのドローイングの再現を試みています。このテキストを書いている最中もマシンは動きつづけ描いているのです。人間がマシンの真似をして描き、今度はマシンが人間の真似をして描いているという作品になります。この作品は、コンピューターの技術革新が凄い勢いで進む中で、ある時点で人類の知能をコンピューターが超えてしまうだろうと昨今話題となっている問題「シンギュラリティ(Singularity)」に端を発しているといえます。想定される諸々の事象を含めて「2045年問題」と言われていますが、数十年後には今あるほとんどの職業がコンピューターにとって変わられるだろうと予想されています。そのような中で、アーティストなどのクリエイティブな仕事だけは、コンピューターには困難な作業であり人間の職業として残るだろうという説があります。
しかし、クリエイティブな作業においてさえも、本当に人間にしかできないことなのだろうかと懐疑的な視点で挑んでいるのが今回の二人の作品といえます。
「アーティストとは?」「クリエイティブとは?」という問いとともに、現時点では人間特有とされている「創造性」について、やんツー氏と菅野氏は、3つの要素に分解できると仮定し今年『SEMI-SENSELESS DRAWING MODULES三部作』を制作しました。
その三部作の一つとして、人間の「創造性」の根幹にある「模倣」について考え制作されたのが本作です。

(美術館 H.F)

◆《SEMI-SENSELESS DRAWING MODULES》三部作について
人間の「創造」のプロセスを、模倣(Imitation)・学習(Study)・偶発性(Noise)の3つに分解できると仮定し、それぞれを機械にインストールすることを試み、現在、茅ヶ崎市美術館・21_21 DESIGN SIGHT・NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]の3つの展示施設にて三作品を展開。

 

この作品は企画展 夏の福袋「正しいらくがき」展 [会期:2015年7月19日(日)~8月30日(日)]で子どもたちのワークショップの映像とともに展示されています。

<略歴 >

やんツー yang02 1984年、神奈川県生まれ。多摩美術大学大学院デザイン専攻情報デザイン研究領域修了。デジタルメディアを基盤に、グラフィティやストリートアートなど、公共の場での表現にインスパイアされた作品を多く制作。2011年から菅野創と共に自律生成型のドローイングマシンの制作を開始し、第15回文化庁メディア芸術祭アート部門にて二重振り子の動きを利用し描画するドローイングマシン《SENSELESS DRAWING BOT》が新人賞を受賞。その後、韓国、ロシア、アメリカなど国内外様々なフェスティバルやグループ展に招かれ各地で作品を発表。2013年、文化庁新進芸術家海外研修制度に採択され、バルセロナとベルリンに1年間滞在。2015年から、東山アーティスツ・プレイスメント・サービス(HAPS)のスタジオ使用アーティストとして、制作の拠点を京都に移し活動中。 http://yang02.com

 

菅野創 KANNO So 1984年、千葉県生まれ。情報科学芸術大学院大学(IAMAS)メディア表現研究科メディア表現専攻修了。電子回路やプログラミングを用いて、複数のテクノロジーの特性を結びつけることにより新たな表現を生むことを目指した作品を多く制作。2009年、西郷憲一郎との共同制作である歯車を用いて音楽を演奏する作品《Jamming Gear》がPrix Ars ElectronicaのDigital Music部門にてHonorary Mention受賞。やんツーとのコラボレーションのドローイングマシンで、メディアシティソウルや札幌国際芸術祭など多くの国際芸術祭に参加している。2013年、文化庁新進芸術家海外研修制度に採択され、ベルリンにて活動中。 http://kanno.so

 

 

<< 7月