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《 神代桜 》 福井青士 ( ふくい・せいじ 1976~ )

2000(平成12)年 紙本着色 縦194.0×366.1 (cm) 《個人蔵》

2014_fukuiexhi_04.jpg山梨県北杜市、旧武川村山高の実相寺境内にある樹齢1800年とも2000年ともいわれているエドヒガンザクラの古木・山高神代桜。1922(大正11)年には国の天然記念物に指定され、このとき同時に指定された根尾谷の淡墨桜(岐阜県)、三春の滝桜(福島県)とともに「日本三大桜」と呼ばれています。1935(昭和10)年頃から樹勢が衰えはじめ、1959(昭和34)年には台風により主幹を折損してしまいました。その後、枝に支柱を施し、柵を設置するなど桜を保護する対策がとられましたが、2001(平成13)年に樹木医や研究者、自治体、大学などからなる樹勢回復調査検討委員会が組織されて調査が進められ、2003(平成15)年から4年間をかけての樹勢回復工事がおこなわれました。その結果、樹勢は回復の方向に向かっています。
作者が神代桜の前に立った頃は樹勢回復調査前のこと。つまり神代桜の樹勢がもっとも衰え、枯死するおそれも指摘されていた時期にあたりますが、長い歳月によって形成された複雑な樹形や怪異な様相にもみえる老樹の容貌が量感ゆたかに大画面に描きこまれています。
また、画面上部には当時設置されていた主幹保護のための覆いが描かれ、この覆いとその柱や、枝を支える柱の直線と神代桜のフォルムとの対比が印象的だったと作者は語っています。
多摩美術大学卒業制作として描かれたこの作品は2015(平成27)年2月1日まで開催している企画展「福井青士 ―生命譜―」に展示しています。


 ( 美術館 N.Y )

<略歴 >

福井青士 (ふくい・せいじ) [1976(昭和51)年~ ]
1976(昭和51)年、東京に生まれ、同年茅ヶ崎に転居。1996(平成8)年、多摩美術大学絵画学科日本画専攻入学。米谷清和教授・戸田康一教授の指導を受ける。在学中の1999(平成11)年、グループ展を開催(以降、多数のグループ展に参加)。2000(平成12)年、多摩美術大学大学院美術研究科日本画研究領域に進む。2001(平成13)年、財団法人(現・公益財団法人)佐藤国際文化育英財団の第10回奨学生に選ばれる。同年、第12回臥龍桜日本画大賞展に入選(2005年、2006年、2009年にも入選)。2002(平成14)年、多摩美術大学修士課程修了。2003(平成15)年より2007(平成19)年まで神奈川県立寒川高等学校に勤務。2007(平成19)年より2010(平成22)年まで毎年個展を開催。2011(平成23)年より神奈川県立鶴見総合高等学校に勤務。2014(平成26)年、茅ヶ崎市美術館にて企画展「福井青士 ―生命譜―」が開催される。


 

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