この度、茅ヶ崎市美術館は、公立美術館における初めての桑久保徹(1978-)の個展を開催いたします。
桑久保は神奈川県を拠点に活動する気鋭の画家。現代美術に立ち向かうための方法として、自分の中に「架空の画家」を見出し、「彼に描かせる」という演劇的アプローチから創作をスタートしました。油絵具を盛り上げるなどの古典的な技法やモティーフを用い、心象風景を現代的かつ物語性豊かに紡ぎ出す表現は、国内外で高い評価を受けています。桑久保が近年取り組んでいるのは、美術史に輝く巨匠をオマージュした「カレンダーシリーズ」。ムンク、ゴッホ、モディリアーニなど桑久保により選ばれた巨匠が12か月に当てはめられ、カレンダーの「月」に見立てられます。画面には巨匠たちの息遣いが漂い、鮮やかな色彩と描かれた様々なモティーフが溶け合うことで、時空を超えた共鳴が生まれます。
本展は完結したカレンダーシリーズとともに、関連するドローイングも一堂に会した初の展覧会となります。各作品において過去の巨匠の生きた時代・制作の時間を現在の私たちの時間・生活と比較させることによって、時間の概念を強く感じさせる異次元空間を演出することを試み、現代美術の新たな理解と視座を得ることを企図します。
会期 | 2020年12月12日(土)-2021年2月7日(日) |
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休館日 | 月曜日(ただし1月11日は開館)、12月29日(火)-1月3日(日)、1月12日(火) |
開館時間 | 10:00-17:00(入館は16:30まで) |
料金 | 一般600(500)円 大学生400(300)円 市内在住65歳以上300(200)円 ※高校生以下、障がい者およびその介護者は無料 ※( )内は20名以上の団体料金 ※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、10名以上の団体は入場方法を制限させていただく場合がございます |
会場 | 茅ヶ崎市美術館 展示室1・2・3 |
主催 | 公益財団法人茅ヶ崎市文化・スポーツ振興財団 |
協力 | 小山登美夫ギャラリー |
協賛 | 東芝映像ソリューション株式会社 |
助成 | 公益財団法人 野村財団 |
展示協力 | 日高理樹、小林優平 |
桑久保徹 (くわくぼ・とおる)
1978年神奈川県生まれ。2002年多摩美術大学絵画科油画専攻卒業。今までに、ニューヨーク、ロンドン、ベルリン、コペンハーゲン、シンガポール、ソウル、台北、東京など世界各地で個展を行う。主な展覧会として「サイト-場所の記憶、場所の力-」(広島市現代美術館、2013年) 、「東京画 Ⅱ:心の風景のあやもよう」(東京都美術館、2013年)、「VOCA 2012」(上野の森美術館、2012年)、「アーティスト・ファイル2010 現代の作家たち」(国立新美術館、2010年)、「トーキョーワンダーウォール」(東京都現代美術館、2003年)に参加。受賞歴に第3回Dアートビエンナーレ最優秀賞 (2013年)、VOCA展2012 奨励賞(2012年)、第三回絹谷幸二賞(2011年)、トーキョーワンダーウォール賞(2002年)。作品は、ジャピゴッツィコレクション、第一生命保険株式会社、高橋コレクション、高松市美術館、タグチ・アートコレクション、トヨタアートコレクションなど、国内外で数多く所蔵。