展覧会
開催終了
2007年4月28日(土)-6月3日(日)
ΣΙΔΕΡΟ ΗΧΟΣ シデロ イホス 鉄の響 原田和男展

ΣΙΔΕΡΟ ΗΧΟΣは茅ヶ崎・緑が浜にアトリエを構え制作活動をおこなっている原田和男(はらだかずお 1951-)がてがける音響彫刻の総称です。鉄の楽器が世界的に希少だということを友人の話で知り、原田は1987年に「鉄のスリットドラム」を制作。切込み(スリット)が入れられた鉄の箱は「響体」となって、作者がこれまで聴いたことがない音色を奏でました。ΒΡΑΧΟΣ[ブラホス=岩]と名づけられたこの作品が、以降さまざまな展開をみせることとなるシリーズの第一作となったのです。スリットによって生ずる多種の波動が響体を共にし、多様な干渉を起こす構造を、限りなく自然に近い構造と確信。この構造をもつ響き、これを作りつづけてゆくことを決意します。そして、響体中に水を入れ、残響音に表情をあたえることのできる「ΑΡΠΑ ΝΕΡΟ」[アルパネロ=水のハープ]を制作。つづいてカウベルを放射状につなげた「ΛΟΥΛΥΔΙ」[ルルーディ=花]、幼児用玩具の「ガラガラ」の構造を参考にした「KOMOREBI」[木洩れ日]、空気の破裂音を発生させる「CORONA」[コロナ]が加わりました。さらに、ハンドルと歯車を組み合わせることにより、連続して音を奏でる「KOMOREBI ハンドルタイプ」と「ウィンドチャイム ハンドルタイプ」が誕生します。1997年には、民族楽器・レインメイカーを金属で、しかも、その響きをとぎれなく連続して奏でられるように工夫した球体の「COSMO ΑΝΕΜΟΣ」[コスモ アネモス=宇宙の風]を制作、その展開型として動力に電気をもちいた自動演奏装置が考案されました。そして2003年、COSMO ΑΝΕΜΟΣに視覚の要素が融合された「万華鏡」が完成。これは原田の造形におけるひとつの到達点となる作品となりました。この間、安曇野ちひろ美術館(長野)、豊科近代美術館(同)、川越市立美術館(埼玉)、兵庫県立美術館などでグループ展や個展をおこなう一方、ΣΙΔΕΡΟ ΗΧΟΣは、武満徹(1930-1996)や石井眞木(1936-2003)の楽曲に取り入れられ、サントリーホールやベルリンフィルハーモニーホールなど国内外で演奏されています。
本展は20年に及ぶ原田の、ΣΙΔΕΡΟ ΗΧΟΣへのとりくみを紹介するとともに、鑑賞者と作品が直接かかわることによって、作者とともに「時を紡ぐ」、美術のひとつのありかたを体感していただく展覧会です。

「COSMO ΑΝΕΜΟΣ」(撮影:二塚一徹)
会期2007年4月28日(土)-6月3日(日)
休館日月曜日(ただし4月30日は開館)、5月1日(火)、2日(水)、8日(火)-10日(木)
開館時間10:00-18:00(入館は17:30まで)
料金一般300円(250円) 大学生200円(150円) 高校生以下無料
※市内在住65歳以上、市内在住の障がい者およびその介護者は無料
※( )内は20名以上の団体料金
会場茅ヶ崎市美術館 展示室
主催財団法人 茅ヶ崎市文化振興財団

関連イベント

ミニコンサート「ΣΙΔΕΡΟ ΗΧΟΣ シデロ イホス 鉄の響」
日時:2007年5月13日(日) 14:00-
会場:美術館エントランスホール
出演:原田和男(mc、パーカッション)、後藤剛史(笛)、五世鶴澤淺造(三味線)
料金:無料(申込不要)

ワークショップ「触れて、描く ΣΙΔΕΡΟ ΗΧΟΣ」
日時:2007年5月3日(木・祝)、5月6日(日) 各日14:00-16:00
会場:美術館展示室
講師:原田和男
定員:各約25名(申込不要/先着順)
料金:無料(要観覧券)

ミュージアムトーク「語る ΣΙΔΕΡΟ ΗΧΟΣ」
日時:2007年5月20日(日) 14:00- 
会場:美術館展示室
講師:原田和男(聞き手:当館学芸員)
定員:25名(申込制/先着順)
料金:無料(要観覧券)
申込:4月28日(土)10:00より、電話または美術館受付にて受付。