展覧会
開催終了
2008年9月14日(日)-11月9日(日)
S氏のコレクション-日本画の名品を中心に- 

このたび茅ヶ崎市美術館では企画展「S氏のコレクション-日本画の名品を中心に-」を開催します。
湘南地区在住のS氏の蒐集作品には、1914(大正3)年から歿するまで大磯に居住した安田靫彦(やすだゆきひこ 1884-1978)をはじめ、1960(昭和35)年以降を大磯ですごした山本丘人(やまもときゅうじん 1900-86)、1962(昭和37)年以降平塚市に居をさだめ現在も活躍する工藤甲人(くどうこうじん 1915-)や茅ヶ崎市に生まれた鈴木至夫(すずきのりお 1929-)など、この地域ゆかりの作家の作品がおおくふくまれています。また、質量ともにコレクション中の核となるのは麻田鷹司(あさだたかし 1928-87)の作品群です。このなかには、麻田が郷里・京都をはなれたのちに、その風景と対峙してうまれた四曲一隻屏風《鴨東東山図》(1969年)などの代表作もふくまれています。これらにくわえて、前田青邨(まえだせいそん 1885-1977)や岩橋英遠(いわはしえいえん 1903-1999)など近代日本画のながれのなかにおおきな足跡をのこした画家たちの作品によって、S氏のコレクションは形成されています。S氏の蒐集作品は、美的な価値のたかさにとどまらず、描く対象との真摯なとりくみがひしひしと伝わるような作品が目につきます。また、戦前から日本画の革新を模索していた作家や、敗戦後の混迷期に日本画のあらたな表現方法を追究しつづけた作家の作品がおおいことも特徴といえるでしょう。このことはS氏自身の生き方や思考が、そのコレクション形成におおきくかかわっているからだとおもわれます。
本展では、S氏がその蒐集作品の一部をひろく公開するために公立美術館に寄託・寄贈した作品もふくめ、とくに地域ゆかりの巨匠の名作や伝統のなかであたらしい表現をもとめて独自の芸術を確立した画家たちの作品を中心に、S氏のコレクションの魅力を紹介します。これらの作品をとおして、日本画の美しさと力をあじわっていただければ幸いです。

鈴木至夫「利尻淺春」 紙本着色 1999年
会期2008年9月14日(日)-11月9日(日)
休館日月曜日(ただし9月15日、10月13日、11月3日は開館)、9月16日(火)、17日(水)、24日(水)、10月14日(火)、15日(水)、11月4日(火)、5日(水)
開館時間10:00-18:00(入館は17:30まで)
料金一般300円(250円) 大学生200円(150円) 高校生以下無料
※市内在住65歳以上、市内在住の障がい者およびその介護者は無料
※( )内は20名以上の団体料金
会場茅ヶ崎市美術館 展示室
主催財団法人 茅ヶ崎市文化振興財団

※会期中展示替えをおこないます

関連イベント

ミニコンサート「室内楽の調べ」
日時:2008年9月23日(火・祝) 14:00-
会場:美術館エントランスホール
出演:茅ヶ崎弦楽四重奏団/大宅一哉(第1ヴァイオリン)、清水謙二(第2ヴァイオリン)、仁多理恵(ヴィオラ)、中川梨絵(チェロ)
料金:無料(申込不要)

特別講座「S氏の日本画コレクションについて」
日時:2008年10月13日(月・祝) 14:00-15:30
会場:美術館地階 展示室3
講師:勝山滋(平塚市美術館主任学芸員)
定員:40名(申込制/先着順)
料金:無料
申込:9月14日(日)10:00より、美術館または電話にて受付。

ワークショップ「鳥獣人物戯画を描こう」
〈上げ写し〉による模写。
日時:2008年11月1日(土) 13:30-15:30
会場:美術館2階アトリエ
出演:武井好之(日本画家)
対象:中学生以上
定員:18名(申込制/先着順)
料金:500円
申込:来館または往復はがきにワークショップ名・氏名・住所・電話番号・年齢(学年)を記入のうえ美術館まで郵送(来館の場合は返信用はがき持参ください) 申込期間:9月14日(日)-10月17日(金) ※申込者多数の場合は抽選

ギャラリートーク
日時:2008年10月12日(日)、10月26日(日) 各日14:00- 
会場:美術館展示室1・2
料金:無料(要観覧券/申込不要)