イベントレポート
2015年8月8日
マシンに挑戦!「青(シアンC)・赤(マゼンタM)・黄(イエローY)で描く模写」

8月に入り、だんだんと日が短くなってきましたね!

夏休みも半分過ぎた今日この頃。
日々作品が変わっていく夏の福袋「正しいらくがき」展は、7/25(土)・26(日)におこなった公開ワークショップ「青(シアン:C)・赤(マゼンタ:M)・黄(イエロー:Y)で描く模写」によって、ぐっと変化が現れました!

札幌国際芸術祭2014で公開された、やんツーさん・菅野創さんのお二人が制作したドローイングマシン《SEMI-SENSELESS DRAWING MODULES》は、その日の気温や湿度、周囲を行き交う人の多さや、騒音量などの周辺環境をもとに動くマシンでした。

暑くて動きが鈍くなる、逆に涼しければ活発に動くことができる人間のように、気温が高ければゆっくりと、低ければ速くという具合にマシンが動き、3色のボールペンからなるグラデーションの美しい抽象画が出来上がりました。

そしてこの茅ヶ崎市美術館では、札幌国際芸術祭2014で完成した抽象画が展示され、これをもとに人間が模写をし、さらにその人間の動きをマシンが読み取り模倣するということを試みました!
(このブログを書いている今も展示室でマシンがせっせと描いています)

その「人間」代表は、地域の学校である梅田小学校、西浜小学校、西浜高校、北陵高校の児童・生徒たち。
美術館の展示室で3色のみのボールペン(たった0.4mmですよ!)を使って挑戦していただきました。

描き始める前に短い座学もあり、作家のお二人から抽象画、点描画、色の三原色や光の三原色についても学びました。

そしていよいよ模写の準備です!
…の前にルール説明。そう実はちゃんとルールがあるんですね。

3色とは、青(シアン:C)・赤(マゼンタ:M)・黄(イエロー:Y)ですが、隣り合う色は違う色で、ちゃんと違う色が重なり合うように配置が決まっています。これは札幌国際芸術祭2014でマシンが描いた時と同じ配置です。

ルール2は、お隣さんを飛び越えてはいけません。
マシンは隣にぶつかったら離れるように設定されていましたから、この動きも模倣します。

さて、それぞれ8人8色の手袋をはめて、決められた位置につきました。
みんなが並んだ壁の上に設置されたカメラ(作家は「キネクトカメラ」と呼んでいました)は手袋の動きを取り込みパソコンに落とし込み、データ化します。

データ化された動きは、今回の展覧会のために新しく改造されたマシンに反映され、模写した作品の向かいにある壁面に設置された白いキャンバスの上で動き始めます。

ここからは、一斉に描きはじめ、8人ずつ交代して作業を進めていきました。
みんな一生懸命です。

最後は、さすが高校生。長丁場のワークショップにもかかわらず、時間いっぱい描いてくれました。

7/26(日)17:00、公開ワークショップが終了しました。

ここからは会期終了までマシンが人間の動きをもとにして描いていきます。
最終日にはどこまで人間の作品に近づけるのか、人間とマシンの挑戦は8/30(日)まで!

余談ですが、現在稼働中のマシンはデータの解像度が高くないので、曲線を描くことができません。
なので、おもしろいなぁと思ったのは、だれかが描いちゃった〇(マル)を一生懸命真似するマシンですが、うまく描けないのです。見ていると、いびつな曲線にちょっと愛情がわきます。
是非、実際にご覧くださいね!


[広報:K.I]