イベントレポート
2016年5月31日
ワークショップ「しかけ絵本」

さわやかな五月晴れに恵まれた5月22日(日)、鎌倉にあるしかけ絵本の専門店メッゲンドルファーの代表・嵐田康平さんを講師にお招きして「しかけ絵本ワークショップ」を開催しました。

嵐田さんは、現在出版界に流通しているような、共通の原作をもとに世界各国が製作に参加する方式のしかけ絵本では、国内市場を開拓した先駆者の一人として知られており、かれこれ40年ほどもしかけ絵本に携わるベテランです。今でも全国の子供たちを対象にしかけ絵本のワークショップを開催する、いわばしかけ絵本の魅力を伝える伝道師です。

かねてからメッゲンドルファーのファンだった筆者が今回改めて講師をお願いしました。

最初はしかけ絵本の歴史を説明いただき、お店でも販売している実物のしかけ絵本の数々を紹介。ページを開いた瞬間に飛び出る恐竜やライオン、華やかなチョウの姿に参加者からも驚きとどよめきの声があがりました。これは単純に楽しい。

「しかけ絵本を楽しむのに年齢は関係ありません。文字が読めない赤ちゃんでも、立派な大人でも楽しめます」

さらに見本の紙に折り目をつけて切り込みを入れて、しかけの仕組みの技術的なことを説明してくれました。簡単そうに見えても、実際にやるとなったら難しそうです(本当に難しかった)。

しかし、参加者の皆さんはすでに意欲満々。さっそく制作に移ります。

制作の時間は一箇所に集められた、手作りのしかけカードの見本をもとに皆さん創意工夫。親御さんも一緒になってアイデアを出し合い、思い思いに色を塗り、楽しんで作っていました。

「分からないことがあれば嵐田先生に聞こう」とばかりに「先生、先生」と子供たちから大人気の嵐田さん。対応する嵐田さんも楽しそうです。

楽しい時間はあっという間に過ぎて「終了」の時刻となりましたが、合図があってもなかなか終わりません。嵐田さん曰く「しかけ絵本ワークショップの難しいところは終わり方。みんなが夢中になっちゃうから」。いつものことなんですね。

それでも何度目かの終了宣言でようやく終わり、参加者が作ったものをみんなで鑑賞し合います。なかには大人顔負けに完成度の高い作品もあり(お母さんも上手)、子供の創造力の柔軟性に驚かされました。皆さんやりますね。なかにはまだまだ作り足りないお子さんもおりましたが、とりあえず無事に終了。良い思い出とお土産ができたようです。とても充実したワークショップになりました。嵐田さん、参加者の皆さん本当にありがとうございました。


[学芸員:T.T]