イベントレポート
2016年8月20日
心とからだと一緒に作る「じぶんの香り」ワークショップ

7月30日(土)、整体師 渕上愛子さんによるワークショップ「心とからだと一緒に作る-自分の香り」が行われました。
今回のワークショップでは「自分の体を見つめ直し、自分にとって心地よい香り」を作りました。

渕上さんは主に「体の不調な部分を整体で治す」という治療をしていらっしゃいますが、ある患者さんとの出会いから「心と体」の関係に大きく注目し始めたとのことです。
その患者さんは、長い間膝の痛みに悩まされていた男性でした。朝起きると膝が痛くて立ち上がれないほどで、治療を続けつつも常にその痛みを抱えて生活してきました。渕上さんの治療によって、その痛みは改善され普通の暮らしを送れるようになりましたが、今度は不眠症に悩まされるようになってしまいました。
よくお話を伺ってみると、なんと「長年一緒にいた『痛み』がなくなってしまって寂しいんだよ」とおっしゃったそうです。つまり、現実的な痛みはなくなって歩けるようになったけれど、「心」のほうがその新しい状況についていけなくなっていた、ということに渕上さんは気づいたのです。

ワークショップは、「体というものは、自分をとりまく環境から大きく影響を受けて作られています。人が感じる「痛み」は、「体」と「心」のバランスが崩れることで生まれます。」という渕上さんの言葉から始まりました。

まず参加者の皆さんは、今の自分の体の状態を知るために、立ち上がって軽く体を動かします。こうして自分の体を意識しながら動かしてみると、普段意識していないちょっとした不調や痛み、また自分の体の特徴も認識できます。

次に配られた紙に「自分の体の特徴」を思いつくままに、書き出していきます。
「たとえば、汗かきである、水をよく飲む、食べ物の好みなど、五感で感じられる特徴ならなんでもいいんですよ」という渕上さんのアドバイスを受け、参加者の皆さんはスラスラと自分の特徴を書き出します。
「さて、次にその紙を一度裏返して、目を閉じて深呼吸してください。そして今書いた特徴は、自分の事だということを一旦忘れるのです。次に、改めて書かれた事を見て、この人は一体どんな人だろうかと想像してみて、紙に描いてみてください。人物でも良いし、風景でもイメージでも良いのです。完成したらその絵に名前をつけてみてくださいね」と渕上さん。

そして、自分をあえて客観視する作業に取りかかりました。
これは、普段の生活の中では滅多にやらないことですね。
ちょっと意外な展開だったかもしれませんが、参加者の皆さんは躊躇することもなくスラスラと紙に色鉛筆を走らせました。

さて、ここでいよいよ香り作りにとりかかります。
また軽く体を動かし、リラックス。
「さっきより皆さん、ずいぶん動きも軽やかだし、お顔も明るいですね」と渕上さん。

アロマエッセンスは、自分の好みのものを3~4種類選び、エタノールと精製水の入ったスプレー瓶にあわせて10~15滴ほど入れます。
「先程、描き上げて名前をつけた『人や風景』とよく相談して、香りを選んでくださいね」と渕上さんからアドバイスがありました。
参加者の皆さんは、20本ほどあるアロマエッセンスを次々と嗅いでいき、お気に入りの香りのものを選んでいきます。

さて、みなさんの香りが出来上がったところで、香りの発表会。
香りが部屋に充満しないように、アトリエの外のテラスに出て、それぞれの描いた絵と香りを発表します。

一人一人の香りと絵を発表していくと、あわさった香りが、ひとりひとり違っていることに歓声があがります。ちょっとした組み合わせの違いや入れる量の違いで、出来上がる香りは千差万別。お互いの香りを知って、初めて顔をあわせたのに昔からの知り合いのような和気あいあいとした雰囲気になりました。
参加者の皆さんからは「自分を見つめ直す貴重な時間でした」「自分を知った上で作った香りなのでとても満足しています」「普段は選ばないような香りを自分が選んでいて、意外だった」「これからはもっと自分をいたわる時間を持とうと思いました」などの感想をいただきました。


次回は、12月15日(金)に「天然素材のリース作り」を開催します。
自分の五感を使って「自分」を見つめ直し、それを視覚化したものから嗅覚を使ってイメージし「自分の香り」を作る今回のワークショップ、終えられた参加者の方は一様に本当の自分を取り戻したような充足感を感じた様子で、帰路につかれました。


[スタッフ:N.T]