イベントレポート
2016年8月26日
「じぶんのまわり」展 作品のヒミツ2
Photo: KENJI KAGAWA (highlight inc.)

「じぶんのまわり-耳でながめて 目でかいで 鼻でふれて 手できいて-」展で、来てくれた方々が展示室に入って「わぁ、異空間だー!」と声をあげ天井を見上げて見るのが、展示室1に展示してある作品「ひかりのミナモ」です。

Photo: KENJI KAGAWA (highlight inc.)
Photo: KENJI KAGAWA (highlight inc.)

天井から吊り下げられた7つの形をした光るオブジェは、光りの色が混ざり合い、ゆっくりと変化をしていきます。このゆらめくような光りの様子は、海や川、水たまりなど、水面に映る光りを表現した作品です。

今回の展覧会のポスター、チラシのメインビジュアルには、この「ひかりのミナモ」の星の形をした作品が使われています。

この写真は、夜更けの午前2時から夜明けにかけて、茅ヶ崎の海辺で写真家の香川賢志さんが撮影してくださったものです。
刻々と変化していく夜明けの光りの中で撮影された写真は、茅ヶ崎の空と海の光りの美しさを改めて感じさせてくれる一枚です。

何層にも淡い光りの色が重ねられたポスター、チラシのデザインの中に、小さな丸い点がいくつも入っているのをお気づきでしょうか。これは、今回の展覧会タイトルや情報を点字にしたものをデザインに取り入れたものです。
実際に1,000部ほど点字印刷を行い、必要と思われる箇所にお送りしました。
視覚情報に頼ることの多い美術館において、今回の展覧会は違う感覚を使うこと。
「視覚に障害がある方もおいでください」と、美術館からのささやかなメッセージです。

そして、展示室には「点字を唄うクマ」「点字を唄うバッファロー」という作品もあります。
この作品は、点字を音に置き換えて、今回の展覧会のテーマソングを毎日唄ってくれています。
そして、この2つの作品にはマスラックスさんが今回の展覧会のために試みたある秘密が隠されています。

気づくかな。
自分と誰かと何か、お互いに影響し合い、つながっている。

秘密はぜひ美術館スタッフにきいてみてください。


[学芸員:H.F]