「成人の日」の祝日、展覧会出品作家の森栄二さんによるワークショップ「じぶんをつくろう」がおこなわれました。
「自画像」という言葉は、よく耳にし、作品を見たりすることがあるとおもいますが、今回参加者が取り組むのは「自刻像」です。
はじめに、森さんから人物を題材とした彫刻作品を作る際には、対象の前後左右と上から見たスケッチを描き、それを基に制作を進めてゆく、という説明がありました。
今回はそのスケッチを写真で代用します。早速、講師による撮影会です。
前から、右から、左から、後ろから、そして、上から。
粘土(木粘土)をよくこねてスタンバイしているうちに、プリントアウトされた写真でふだんは見ることのないアングルからの「自分」とのご対面。
粘土を芯材に付けることからが造形のスタートですが、自分の頭はどんなふうに首とつながっているのか、写真を見たり、自分の横画を紙に描いたりしながら頭の位置をさぐります。
次に耳。首と頭の位置関係もそうですが、耳の位置ひとつでも顔の印象は変わってきます。前、横、後ろ、そして、てっぺんから撮られた、ほとんど見ることのない自分の姿を前に、自分の顔や、頭や、耳、目、鼻などのパーツって、こんなふうになっているんだと「発見」したりする一コマも。
最初はおおまかに、そしてだんだんと細部へと作業は進みます。早々に作業を終えて、余った粘土で遊びはじめる子どもがいる一方で、どんどん作りこんでゆく大人たち。
それでも時間内には参加者ひとりひとりひとりの「分身」が完成。みなさん作業に集中して、あっという間の3時間だったのではないでしょうか。
目で見て描くこととは異なり、塊として自分をとらえ、触覚をも伴った今回の体験により、自分自身との新しい向きあい方を見つけたのではないでしょうか。
[学芸員:N.Y]