茅ヶ崎市美術館スタッフブログ

美術館の日々のできごとをつづります。

報告者:藤川悠(茅ヶ崎市美術館 学芸員)

2才の女の子そよちゃんとそのお母さんと歩く道。
大人だけでは発見することのできない道の魅力を、そよちゃんは小さな体でめいっぱい気づかせてくれました。

その気付きを美術館のアトリエに戻り、みんなで確認していきます。


ステップ2:感情マップの作成

今回も第1回目の流れと同様に、感情マップにしていきます。


ステップ3:共有したい気付き(価値)

そよちゃんの行動から見つけ出した共有したい価値は「自由な空間での負荷が楽しい」。
水道の蛇口が一度ひねると自動で戻ってしまうため何度もひねったり、
道ではない斜面を何度も上り下りしたり、大人ならば面倒になってしまうことを楽しそうに繰り返す様子から。

 

ステップ4:共有したい価値を表現に
「自由な空間での負荷が好き」を今回は、色で表わすことにしました。
一人一人、自由をイメージする色、負荷をイメージする色、その色合いも描く形も違います。
原さんの中では「自由」はキャンバスの白色をイメージするようです。

   

     

 

◆感想
表現者:原さんの感想
「斜面の部分も含め、道が上下に縦軸で動いているような気がしました。
今回のフィールドワークは良い素材になるような気がします。
一人の子どもがある目的に沿って行動することと、自分の表現は、どこかリンクすることがあるような気がしました。
普段はある目的のために描くことはないけれど、子どものファンタジーさに負けないような絵を描きたいと思っています」

感覚特性者:そよちゃんの感想
(絵の具遊びに夢中で感想を言うことには興味ない様子)

感覚特性者:美帆さんの感想
フィールドワークがこんなに楽しいものだとは思わなかった。道のりを絵の具で表わすっていいなと思いました。

 

◆振り返り
そよちゃんと美帆さんと一緒に歩く道は、道の標識、落ちている実や小さな生き物、
蛇口から出る水など、全てが愛おしく感じるようなファンタジーあふれる道でした。

そして、そよちゃんが何度も松ぼっくりを洗っていた目的はというと、、、、。
なんと「(茶色を)白くしたかった」とのことでした!

きっと大人だけで歩いているのでは気づけない、開くことの出来なかった新たな世界への扉を、
小さな感覚特性者が開いてくれる回となりました。

〈画像〉全て撮影:香川賢志

 

茅ヶ崎市美術館「美術館までつづく道」(第2回)~特性:小さな子と母親編~
実施日:2018.3.25 10:30-15:00
会場:茅ヶ崎駅から茅ヶ崎市美術館とその周辺
参加者:計11名
表現者:原良介(画家)
感覚特性者:そよちゃん(2才の子/感覚特性:小さな子)、美帆さん(そよちゃんの母親)
コアメンバー:鎌倉丘星(株式会社インクルーシブデザイン・ソリューションズ取締役/感覚特性:視覚・車椅子)、
久世祥三(エンジニア/アーティスト/湘南工科大学教員)、坂本茉里子(デザイナー/アーティスト)、
藤川悠(茅ヶ崎市美術館学芸員)
共催メンバー:野呂田純一((公財)かながわ国際交流財団 副主幹)
記録メンバー:岡崎凌大(湘南工科大学総合デザイン学科 久世研究室 学生)
記録・香川賢志(写真家)、金明哲(映像撮影)

〈企画〉茅ヶ崎市美術館
〈主催〉公益財団法人茅ヶ崎市文化・スポーツ振興財団/公益財団法人かながわ国際交流財団
〈協力〉湘南工科大学総合デザイン学科/㈱インクルーシブデザイン・ソリューションズ
〈関連事業〉MULPA(マルパ):Museum UnLearning Program for All/
みんなで“まなびほぐす”美術館―社会を包む教育普及事業―
http://www.kifjp.org/mulpa/

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