今月の1点 Monthly Pickup 8月
 
 

「 アンダルシアの町 」
三橋 兄弟治 (みつはし いとじ) ( 1911-1996年 )作

1985年,90.9×116.7p,水彩・紙


 

 木々の間から眺める先にあるのは小高い丘。頂には古城。そして重なり合うように白亜の家々が丘の中腹から裾にかけて広がっている。
 アンダルシアは地中海沿岸に面したスペインの南部の地方である。この作品に描かれている季節は秋から初冬の頃か。アンダルシア特有の青く澄んだ空や、ギラギラと照りつける陽光はない。しかし、画面にはどこか幻想的でやわらかな空気が感じられる。それはこの地に暮らす人々や文化をこよなく愛した三橋の、内面の投影なのであろうか。

(特集展示「三橋兄弟治展」を9月13日(木)まで開催)
(美術館 S.T )


< 三橋 兄弟治 (みつはし いとじ)略歴 >
 1911年、高座郡茅ヶ崎町(現・茅ヶ崎市)に生まれる。37年より、一度は断念した教師の職に戻り画業との両立を図る。また、50年代から60年代にかけ試行錯誤を重ねた末、絵の具をそのまま堅い筆で紙面にこすりつける渇筆(かっぴつ)描法を考案。64年に教職を退いた後、スペインをしばしば訪れ、多くの風景画を残している。茅ヶ崎美術クラブ(現・茅ヶ崎美術家協会)の創立者として、本市の美術文化発展にも力を注いだ。