今月の1点 Monthly Pickup 9月
 
 


          「アルカンタラの橋」       


小山 敬三 (こやま けいぞう) ( 1897‐1987 )作

1926年、油彩・キャンバス、118.0センチ×81.0センチ
神奈川県立近代美術館蔵


アルカンタラの橋
 

 この作品は、小山がスペイン・トレドを訪れたときの絵で、郊外アルカンタラに架かる橋を真正面から見事に描き切っている。その大胆な構図には、少し前にパリで流行したキュビスムの余韻がうかがえる。また、全体に揺らめくような色使いは、トレドやプラドの美術館で小山を感動させて止まなかったスペイン画家グレゴのそれを想わせる。その頃、彼は気鋭の日本人画家としてパリでもしだいに頭角を現し、サロン・ドートンヌ会員に推挙された。
 9月22日(土)〜11月11日(日)まで企画展「生誕110年記念“気韻生動”の画家 小山敬三展」を開催。

(美術館 K.A )

< 略歴 >
1897年、長野県北佐久郡小諸町(現、小諸市)で醸造元の三男として生まれる。画家を志すも、父の反対で慶應義塾大学予科に入学。翌年中退し、島崎藤村の勧めでデッサンやフランス語を学ぶ。1920年にパリに留学し、アカデミー・デ・コラロッシュに通いシャルル・ゲランに師事。1928年の帰国まで、イタリアやスペインを旅行し、その後の作風の基礎を形作る。1929年に亡父の別荘があった茅ヶ崎にアトリエを建て、89歳の生涯を閉じるまで制作の拠点とする。1970年に文化功労者、1975年に文化勲章を受章。1976年に本市の名誉市民となる。