今月の1点 Monthly Pickup 12月
 
 

「 裸体美人 」
萬 鐵五郎 (よろず てつごろう) ( 1885-1927 )作

1912年, 油彩・キャンバス 162.0センチ×97.0センチ 東京国立近代美術館蔵


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 この作品について、作者は随筆「私の履歴書」で「かなり長くかかって描いた百号の卒業制作……これはゴッホやマチスの感化のあるもので半裸の女が赤い布を巻いて鮮緑の草原に寝ころんでヘイゲイしている図」と記しています。
 画家として歩み出す最初の作品ともいえる卒業制作から、時代の先端をゆく表現を追究し続けていた萬の画業は、その生前にはひろく世人に認められることはありませんでした。しかし戦後になって日本近代美術史が見直される中で、萬の画業は大きくクローズアップされ、現在では、近代を代表する重要な画家のひとりとして位置付けられています。
 わが国におけるフォーヴィスムの最初の成功例とされているこの「裸体美人」は、大正期に至って確立されはじめた日本的表現による洋画の先駆的作品として評価され、2000年には重要文化財の指定をうけています。

(2007年1月20日(土)からの企画展「歿後八〇年 萬鐵五郎〜東京/土沢/茅ヶ崎〜」にて展示)
(Y・N )


< 萬 鐵五郎(よろず・てつごろう)略歴 >
 岩手県生まれ。美術学校卒業後フュウザン会に参加。後期印象派やフォーヴィスム、キュビスムなど常に新たな絵画思考を探求、自己の表現として作品に具体化する。1919年から茅ヶ崎に住み同地で歿。