今月の1点 Monthly Pickup 6月
 
 

「 いろづくし 」
田口 雅巳 (たぐち まさみ) (1936-  )作

1979年, 混合技法,コラージュ,47.8×28.3×8.7cm



  木箱の中に、タイトル通り色にまつわるさまざまな言葉と、それらを象徴するオブジェを詰め込んだ作品。例えば、割りばしが赤い唇をつまんでいるところに、「色好み」と書いた小札がついている。ほかにも「色めがね」、「色道」、「三色丼」などと書いた札が30枚弱点在し、男の顔、女の尻や花の写真、さらに本物の眼鏡や天然の樹皮、プラスチック製の丼や道路標識の模型まで貼ってある。正面はガラスでフタをして、下部には紅い柵がとりつけられている。柵越しに覗くことを鑑賞者へ促すようなつくりは、江戸の郭をも思わせ、柵を隔てて別世界がくり広げられていることを強調しているかのようだ。
(Y・I )


< 田口 雅巳 (たぐち・まさみ )略歴 >
東京生まれ。45年以降湘南地区に住む。神奈川県立鎌倉高等学校卒。
在学中から公募団体展(自由美術展ほか)、グループ展に出品、創作活動を続ける。
59年以降無所属となり、個展を中心に洋画、日本画、立体造形、版画などを発表。併行して湘南風景も描き続ける。日本美術家連盟会員。