今月の1点 Monthly Pickup 3月
 
 

「 相模湾落日 」
山崎 隆夫 (やまざき たかお) ( 1905‐1991 )作

1990(平成2)年作、油彩・板、90.9×90.9cm


 

茅ヶ崎市美術館では開館10周年の幕開けとして、“萬鐵五郎展”及び“茅ヶ崎美術家協会25周年記念・特集展示 茅ヶ崎の美術を支えた人びと展”を開催しました。“萬展”は好評のうちに先月25日で幕を閉じましたが、“茅ヶ崎の美術を支えた人びと展”は引き続き作品内容を一部入れ替えて3月6日(火)から4月21日(土)まで開催しています。
この作品は、同協会の第1回展(1973年)に出品した作家のひとりである山崎隆夫晩年のもので、真っ赤に落ちる大きな夕陽を中央やや左下に、下縁には山並み―箱根から丹沢山系であろうか―を、また上方にはその落日を浴びて赤く染まる相模湾を、大胆な画面分割の構図で描ききっています。この作品の前に立つとき、ひとは誰しも、荒いタッチの中に老いてなお沸々とたぎる山崎の、造形への確かな想いを実感せずにはいられないでしょう。
(美術館 K.A )


< 山崎 隆夫 (やまざき たかお)略歴 >
1905(明治38)年、大阪の生まれ。1923(大正12)年、神戸高等商業学校(現、神戸大学)入学。この時期に芦屋の小出楢重のアトリエに通い始め、高等商業を卒業後、三和銀行に入社。1932(昭和7)年、第2回独立美術協会展に初入選。1938年の第13回国画会展で国画奨励賞を受賞。1954年、佐治敬三氏に請われて寿屋(現、サントリー株式会社)入社。取締役宣伝部長となり、部下の開高健、山口瞳、柳原良平らとともに広告文化の一時代を形成。1962年、茅ヶ崎市東海岸南に転居。以後、富士を主なテーマに精力的な作画活動を展開する。1964年、株式会社サン・アドを設立、取締役社長となる。1991年歿。2001(平成13)年、茅ヶ崎市美術館にて企画展「富士と抽象―山崎隆夫展」開催。