今月の1点 Monthly Pickup 2月
 
 

ニース風景
青山 義雄 ( あおやま よしお ) (1894‐1996)作

1925年, 油彩・キャンバス , 33.0 cm× 41.0 cm



 小径の先には地中海の青い海。こちらに向かって歩いてくる男は青山自身の姿ともいわれています。
  青山義雄は1920年にフランスに渡っています。頼るべきあてもない、まさに徒手空拳の渡仏でしたが、その年のサロン・ドートンヌに入選。その後も連続して入選した青山は新進画家としての歩みをはじめます。しかしその矢先に胸を病み、転地を余儀なくされ南フランスに移りました。この作品はその直後に描かれたとされています。
 光あふれる南仏の地での作品ですが、どこか寂しげな雰囲気が感じられるのは、美術の都・パリから離れざるを得なかった青年画家の憂うつが、知らず知らずのうちに画面にあらわれているからかもしれません。
(Y・N)


<青山 義雄 ( あおやま よしお )略歴 >
現在の横須賀市に生まれ三重県鳥羽、北海道の根室に転居。日本水彩画会研究所に学ぶが家庭の事情により中断。北海道に戻り肉体労働に従事したのち渡仏。アンリ・マティスに師事し第二次世界大戦前後の時期を除いて南仏を拠点に制作活動を続ける。1986年に帰国し晩年を茅ヶ崎でおくる。