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南仏風景
青山 義雄 ( あおやま よしお ) (1894‐1996)作

1959年, 油彩・キャンバス , 41.0 cm× 31.8 cm



  色彩の画家・青山義雄が横浜からパリにむけて旅立ったのは1921年2月のこと。4月にパリに着くと3日後にはもう、モーリス・ドニらが教えていたアカデミー・ランソンに通い始めている。彼の画家としての道筋は、生涯の師となるマティスとの出会いによるところが大きい。1925年夏、南仏ニース近郊のカーニュへ転居した青山は、翌年、同地でマティスにその絵を認められ、教えをうけるようになる。しかし、1935年には帰国を余儀なくされ、結局、戦後まで日本にとどまることとなった。1952年に再度フランスを訪れた彼は、再びカーニュにアトリエを設け、精力的に制作を再開する。
  この作品は、65歳を迎えた彼が、南欧のきらめく陽光のもとで奔放に絵筆を振るったもの。濃淡のある青や紫、ピンクに緑など、あくまで濁らない澄明(ちょうめい)な色彩感覚は彼の真骨頂ともいえ、とくに中央に賦(ふ)された橙(だいだい)のアクセントは、宝石のように華やかな絵をきりっと引き立てる。
(K・A)


<青山 義雄 ( あおやま よしお )略歴 >
神奈川県横須賀市生まれ。1903年、父の転勤で根室に移り、14歳で画家を志す。16歳のとき上京、日本水彩画研究所の木下藤次郎に師事。21年渡仏。同年サロン・ドートンヌに初入選。86年に帰国し、茅ヶ崎市東海岸に居住。93年中村彜賞受賞。96年没。