今月の1点 Monthly Pickup 12月
 
 

「牛」
菅野 陽 (すがの よう) ( 1919〜1995 )作

1959年, 銅版・紙 , 12.6×14.4cm



 インクの海からじわりとにじみ出るように、わたしたちになじみのある動物の外形がその輪郭を浮き上がらせている。細部は描き込まれず、銅版画の技法によって得られる効果が、意図された偶然性をもってこの作品に生命を与えている。
  古来牛は世界のそこかしこで善きにつけ悪(あ)しきにつけ宗教的色彩の濃い獣(けもの)だった。この作品に向きあう時、その小さな画面から無限に広がっていく神秘的な空間を感じずにはいられない。