今月の1点 Monthly Pickup 6月
 
 

「遠い汀」
入江観(いりえ かん) (1935-)作

1975年,油彩・キャンバス 99.8×99.8cm



 茅ヶ崎の海岸近くに住む入江観は、この海岸をよく描いており、この作品もそのひとつです。茅ヶ崎の海辺は、沖合にえぼし岩があるだけで何の変哲もない砂浜が続く単調な風景ですが、彼はそこに現れるわずかな変化をうまく組み立て作品としています。また彼は、光に敏感であり、ここに描かれた空、海、大地は、天空からの柔らかな光に照らされてすがすがしく輝いています。  この作品は、一見すると平明な写実に見えて、清澄感が漂う画面の奥に、堅固な造形と叙情を感じさせます。