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今月の1点 Monthly Pickup 8月

《風俗三十二相 うるささう》 月岡芳年(つきおか・よしとし 1839~1892)

(読み方:ふうぞくさんじゅうにそう・うるさそう)
1888(明治21)年 木版(多色)・紙 縦35.8×横24.3(cm) 《茅ヶ崎市美術館蔵》

 芳年_風俗三十二相-うるささう.jpg


幕末から明治に活躍した浮世絵師・月岡芳年の連作「風俗三十二相」のなかの1点で、寛政期(1789~1801年)の未婚女性がとりあげられています。
芳年といえば師・歌川国芳ゆずりの武者絵が高い評価を得ていますが、歴史絵、美人画、風俗画などの分野でもすぐれた作品を残しています。江戸から明治にかけてのさまざまな階級・職種の女性を描いたこの連作は美人画(風俗画)の分野での代表作とされています。

愛猫の首輪を自分の半襟とお揃いにするほどのお気に入り。のしかからんばかりに身を寄せて、言葉どおりの猫かわいがりぶりに、当の猫はちょっと迷惑そうな表情です。
「風俗三十二相」の他の作品では、「さむさう(寒そう)」や「ねむさう(眠そう)」など、描かれている女性の様子や姿態が画題になっていますが、この作品では猫の気持ちを汲んだ「うるささう(うるさそう)」がタイトルになっています。

この作品は8月31日まで開催中の企画展「夏の福袋2017 動物美術館」にて展示しています。

 

(美術館 N.Y) 

<略歴 >

1839(天保10)年、現在の東京都生まれ。1850(嘉永3)年、歌川国芳(うたがわ・くによし)に入門。1853(嘉永6)年、最初の浮世絵作品(三枚続)が刊行される。1866(慶應2)年より兄弟子・落合芳幾(おちあい・よしいく)との競作「英名二十八衆句(えいめいにじゅうはちしゅうく)」刊行。1868(明治元)年に「魁題百撰相(かいだいひゃくせんそう)」、ついで1969(明治2)年にかけて「東錦浮世稿談(あずまにしきうきよこうだん)」を刊行。これらの無残絵(残酷絵)により人気を確立。1873(明治6)年、前年からの強度の精神疾患から回復。これを機に画号を大蘇芳年(だいそ・よしとし)とし、洋風画などを研究して画技の伸長を目指した。1877(明治10)年、西南戦争を題材とした浮世絵を刊行。1885(明治18)年、浮世絵「奥州安達がはらひとつ家の図(おうしゅうあだちがはらひとつやのず)」が風紀を乱すとして発禁となる。同年の『東京流行細見記』絵師部門で筆頭となる。またこの年から1891(明治24)年にかけて代表作「月百姿(つきひゃくし)」刊行。1892(明治25)年、前年再発した精神疾患が悪化。同年6月9日、逝去。

 

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